1.「戸建て賃貸住宅」は住まい方改革の柱(持ち家リスクの高まり)

不動産は、金融商品としての特徴を持ち、同時に国の経済政策の一部としての役割も果たします。金利が低下することで、ローンの条件が良くなり、返済利息が減るため、人々はより多くの金額を借り入れて家を買うことが可能になります。しかし、借りたお金は最終的に返済する必要があり、長期的な生活設計に影響を及ぼす可能性があります。 
ローンの返済期間が長ければ、月々の返済額は少なくなりますが、返済が終わる頃の年齢や所得、大規模な修繕やリノベーションの費用などが、家族の負担となることがあります。多くの人は、家を買う際にこれらの点を十分に考慮しないため、若い時に大きな借金を背負うことがあり、収入が減少する中での長期間にわたる財政的な苦労に直面することもあります。住宅ローンは、実際には負債であり、劣化が進んだ住宅には将来的に大きな修繕費や解体費用が必要になり、子供に負担を残すことになる可能性があります。 
個人が家を所有する場合、ローンの返済、必要な経費、減価償却、再建築の費用など、多くのコストが発生します。特に地方都市では、人口の減少が進むと、勤務先の企業も統合や閉鎖により影響を受けることがあり、その結果、地価は中長期的に下降傾向にあります。世界的な人口減少の傾向を考えると、地価が上昇することは少ないです。 
長期的な視点で見ると、世界的な変化は形を変えながら繰り返され、社会のシステムや人々の意識、好みまで変化させます。これらの変化は不動産や住宅のあり方に影響を及ぼし、大きな構造変化を引き起こす要因となります。今後10年間で、持ち家のリスクが顕著になり、ローンの破綻が増え、住まい方の認識に変化が見られるようになります。給与所得の伸び悩みにより、創業や副業を考える人が増え、住宅の選択肢も変わっていきます。持ち家リスクが高まるにつれて、借家やアパートへの移行が必然となり、今後は集合住宅よりも戸建て賃貸が人気となるでしょう。この流れが確定すると、建設会社や不動産業者の活躍の場が広がり、小口の土地も商品化しやすくなり、古家の改修や解体再利用の機会も増えると考えられます。

2.戸建て賃貸住宅経営の節税対策

戸建て賃貸を建設することで、その土地は小規模住宅用地として認識され、固定資産税が1/6に、都市計画税が1/3に軽減されます。また、200平米を超える部分については、固定資産税が1/3、都市計画税が2/3に軽減されるため、節税効果が期待できます。
賃貸経営では、管理コストや支払金利など実際の経費に加え、減価償却費を計上することが可能です。これにより課税対象額を抑えることができます。
青色申告を利用することで特別控除を受けられ、事業規模での経営では、協力する親族に専従者給与を経費として計上することで、課税対象額を大幅に減らすことが可能です。戸建て賃貸を土地活用として選ぶことで、固定資産税の軽減とともに、効果的な節税対策を行うことができます。

3.戸建て賃貸の相続税対策

戸建て賃貸の土地は貸家建付地として評価されるため、相続税の評価額が軽減されます。土地の評価額が約75%軽減されるため、建物の価格も相続対象になると建築費用の約40%に減少します。
戸建て賃貸は土地と建物の分筆が可能であり、相続時の手続きを円滑に行い、相続税の負担を軽減することができます。また、収益物件として切り離して売買することも可能です。アパートやマンションとは異なり、戸建て賃貸にはこのようなメリットがあります。不動産を相続する際には、相続税が多額になることが少なくありませんが、戸建て賃貸はこれらの問題を軽減する効果があります。

4.どうしても持ち家が欲しい方へ

戸建て賃貸住宅を取り扱う業者は徹底して投資利回りを探求し、コストダウンの研究をしていますし、また、住宅性能も勝るとも劣らぬ仕様です。建設会社によっては何割も安い金額で提供しているケースがあります。この会社選定も選択肢に入れて対処すべきです。